日本で流行しかけた殺人ウィルス「ナイトメア・バクテリア」とは?

涼しくなったと思ったら、またちょっと残暑が戻って
大人しかった蝉が名残惜しいように鳴いていたり、
日が落ちると植え込みから秋の虫の音が聞こえてきたりと、
季節の変わり目を感じてしまいます。

そういえば、今年は全く話題に上らかなかったので、
発生を抑えられたのでしょうが、
昨年の夏はデング熱で大騒ぎでしたね。

その後、世界を恐怖に陥れたエボラ出血熱の蔓延や、
最近では韓国のMARSなど、ウィルスは私達の身近に来ています。

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実際、生物兵器もあるようですし、研究もされているみたい。
でも、人間よりもはるか昔から存在しているウィルスを
はたして人間がコントロールできるでしょうか?

実は2013年にアメリカで見つかったウィルスが
殺人ウィルスとか、人喰いバクテリアなどど騒がれ、
日本にも入ってくるのではと危惧されました。

その殺人ウィルスは通称「ナイトメア・バクテリア」と呼ばれ、
詳細はあまり明らかにされていません。

この殺人ウィルスナイトメア・バクテリア」ってどんなウィルスで、
私達はどう対処すればいいのでしょう。

いろいろ知りたいですよね。
それではさっそく見てみましょう。

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殺人ウィルス「ナイトメア・バクテリア」とは?

この殺人ウィルスと呼ばれる「ナイトメア・バクテリア」とは
いったいどんなウィルスなのでしょう?

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌
(Carbapenem-resisitant enterobacteriaceae, CRE)

これが正式名称で、CREと略されています。

アメリカで見つかり、対処療法がないことなどから「ナイトメア・バクテリア(悪夢の細菌)」と称され、日本では悪いイメージ、怖いイメージから殺人ウィルスと表現するようになったようです。

一言でいうと「カルバペネムに耐性を示す腸内細菌科細菌」

何だかさっぱりわかりませんが、腸内細菌科細菌は腸内に生息している全ての菌の仲間で、“グラム陰性の通性嫌気性桿菌でぶどう糖を発酵し、芽胞を形成せず、硝酸塩を還元して亜硝酸にする性状を有する菌”です。

代表的なのものに、大腸菌(エシェリキア属)・肺炎桿菌(クレプシエラ属)など20数種の属の菌があり、それらは人や動物の腸内に常在し、腸管内で病原性を示すことはありません。

しかし、赤痢菌・サルモネラ・ペスト菌など、通常人が保菌していない菌も含まれていて、それらがいったん腸管内に入ると増殖して病原性を示します。

つまり、悪さを起こす体外腸内細菌科細菌の一種のようです。

アメリカの発表によると2013年の3月時点で、過去10年間でCREが1.2%から4.2%に増え、場所によっては1.6%から10.4%と増加し、2012年の上半期で、全米の病院の4%(200以上)、長期急性期病院の18%に感染症が発生しました。

アメリカでは年間約170万人が院内感染して、9万9000人が死亡しています。

また、血流感染した患者の致死率は最大で50%に達していて、他の耐性菌の致死率20%を大きく上回っているのです。

だから悪夢の細菌と呼ばれているのですね。

感染源は?感染するとどうなる?

感染源はどこからで、感染するとどうなるの?

なかなかまとめられないので、おおまかに。

CREは1996年にアメリカで初めて検出されて以来、多くの州に広がり、現在ではほぼ全ての州で検出されています。

CREが感染起因菌となった中心ライン関連血流感染、またはカテーテル関連尿路感染が発生したとの報告があったようです。

アメリカ以外にもイスラエル・ギリシャ・イタリア・ポーランドコロンビア・アルゼンチン・ブラジル・中国・インド・トルコなど様々な国で検出されています。

国によって対策の違いがあるのも問題視されていて、インドでは以前は抗菌薬が薬局で販売されていて、処方箋なしで購入ができ、誰もが容易に入手できるようになりました。

このため、明らかに大量の抗菌薬が不適切に使用されていたと思われ、そのために耐性菌が拡大し、家畜などに用いる抗菌薬も耐性菌を生み出す要因になってしまったとか。

抗菌薬の多発は菌を強くさせてしまう原因にもなるのですね。

日本では海外からの持ち込みによって検出された例が散発的に報告されていますが、現時点では欧米などのような深刻な問題にはなっていないようですよ。

感染するとどうなるのでしょう?

CREの菌種はもともと腸内に棲息しやすい菌種なので、人の腸内に長く定着する性質を持っています。

また肺炎桿菌や大腸菌が多く、その関連細菌なので肺炎・尿路感染症などの原因や、術後の患者では創部の感染症や腹膜炎・膿瘍などの原因に。

さらに血液中侵入し菌血症や敗血症などを引き起こすと重篤化し、
アメリカでは半数が死亡したと言われています。

CREの重病化は診療時からの感染が多いので、発症してからの治療になるのでやっかいです。

薬が効かない理由とは?

ではなぜ薬が効かないのでしょう?

細菌が抗菌薬に耐性を示す機序の代表的なもので、カルバペネム分解酵素(カルパペネマーゼ)があり、これを産生することで、カルバペネムに耐性を示します。

このカルバペネマーゼの耐性が今ある抗菌薬では対抗できないので、
大きな問題となっているようですね。

また、感染しても病原性が大きく変化していないので、症状や検査所見が大きく変わらないため、各種抗菌薬を投与しても抵抗され、難治性感染を起こしやすくなり、さらに重症感染に至るのです。

その典型例がKPC産性菌で、肺炎桿菌などにさらに強めてしまうため、抗菌薬も効かず、菌血症や敗血症に至っての症例の約50%が死亡という報告もあったとか。

抗菌薬が限られている点も問題です。

現在、単独で有効な抗菌薬はコリスチンかチゲサイクリンで、チゲサイクリンは国内での承認は得ていますが、コリスチンはまだ承認されておらず、個人輸入での入手に。

また現在開発中の抗菌薬の中には有効性が期待されているものも多くありますが、まだまだ、具体的な時期や臨床の現場での使用可能は不明のようです。

10年前に見つかってまだ有効な抗菌薬がなかなか作れないなんて。
ウィルスは人体に入ると変化しますし、個人差もあるので、難しいのでしょうね。でも早急の対策は望まれます。

自分でできる予防法はあるの?

では予防法はあるのでしょうか?

自分でできること、それは日常的に注意していくことで予防効果につながります。

まず、健康な日常を送っている人は、CREを過度に心配する必要はないでしょう。

それより、海外で医療行為を受けたり、海外旅行から帰ったあとで、
体調不良などで医療機関を受診した場合には、海外に出かけていたことを医師に告げる必要があります。

それは海外で知らず知らずのうちに、CRE以外にもそれぞれの地域で流行っていたり土着している病原体に感染している可能性があるからです。

またもし、治療中で抗生物質などを処方してもらって服用している人は、CREが感染して増えることもありますから、その旨を医師に相談してください。

CREが検出される患者の喀痰や便の処理の際には、手袋を使い終了後には石鹸で良く手指を洗えば問題ありません。

国内での感染事例は少ないようなので、海外に出かけた人は、他の感染病と同じように、必ず診療を受けてください。

自覚のないままの拡散が一番危険なのです。

韓国のMARSの国内拡散の惨々たる状況を見てもわかるように、抑えることも追跡も難しくなりますから。

とにかく、手洗いや衛生面に気を配り、不調を感じた時には、早めの受診を心がけましょう。

まとめ

1996年にアメリカで発症し、今は世界各地で感染が報告され、欧州では次々に多種の生株が見つかってアウトブレイクが報告されたり、インドやトルコ、ギリシャやさらに近隣のアジアや中東諸国でも広がりをみせ、警戒が強まっています。

また、イスラエルや中国の上海や香港、その近くの浙江省や江蘇省などでも増えているとか。

今は日本では報道での現状報告がないので、症例が少ないのかもしれませんが、確実に入っているようです。

国立感染症研究所の見解でも、CREはとても危険なウィルスで、感染したら腸に長く定着して、治療が難しくなるので、できるだけ国内に入れないように、また万が一入っても早急に対処できるよう、アメリカから常に情報が入ってはいるようです。

アメリカ側からの注意喚起は、一般より医療従事者へのものが多くて厳しいです。

院内感染からの拡散が悔やまれるからでしょう。

だから「ナイトメア・バクテリア」と称し、あえて恐怖心をあおって、警戒を促しているのです。

私達は他のウィルスの時と同じように警戒し、感染しないように、心がけるしかありません。

今は情報を公開し、知って防ぐことが大事です。

何より、手洗いと衛生面の徹底が肝心。
これからの季節、特に気をつけたいですね。


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